新版 生理学 (メディカルスタッフ専門基礎科目シリーズ)という生理学の新しい教科書が発売されていました。
Amazonのレビューにもまだ何もありません。
生理学の本ってたくさんありますが、これと言った決め手に欠けませんか?
このメディカルスタッフ専門基礎科目シリーズの新版生理学はいったいどうなんでしょうか??
特徴やおススメな点などを解説します。
まず、どのくらいのレベルの本かと言うと、
こちらの記事に書いた内容と比較すると「初級~中級」にあたります。
内容は難しくありません。
しかし、決して簡単でもありません。
書いてある内容は結構充実しているのです。
パラパラとめくってみて感じました。わかりやすい。
生理学の本っていうのは、
細かい物質名や分子構造が詳しすぎて何を言っているのかわからない難しい本。
または、
易しくした結果、大雑把すぎて何を言っているのかわからない簡単な(実は難しい)本。
が多いですよね。
しかし、
この記事で紹介している新版 生理学 (メディカルスタッフ専門基礎科目シリーズ)は、わかりやすいのです。
何が良いのでしょうか。
それは、難しい化学的な要素は控えめにしながら、それでも重要な点は難しいことも論理だてて説明されているから。
と私は思いました。
「メディカルスタッフ専門基礎シリーズ」とありますが、
明らかにターゲットは理学療法士(PT)、作業療法士(OT)です。
この本の著者も理学療法士が多いようです。
なぜ、ターゲットがPT、OTと思ったかと言うと、
神経生理に始まり、筋の生理、運動の生理と解説されていくからです。
理学療法士や作業療法士にとって重要な順であり、
全ての生理学の基礎になる分野です。
そのため、第1章から順番に勉強していくと、とても理解しやすい構成になっています。
理学療法士の著者が多いせいか、理学療法士や作業療法士またはその学生が理解しやすい用語で書かれています。
という事は、国家試験の対策にも向いていると思われます。
さらにオールカラーの図がとても見やすい。
図も難しい物質名などは省略されつつ、大切な理論的根拠となる部分は充実しています。
理学療法士や作業療法士の人が生理学を学ぶときに、どんな本が良いか迷ったとき、最初に学ぶのにはお勧めの本です。
また、学校を卒業して現場で働いている時に、改めて生理学を学びなおしたいと思った時、おそらく学生時代に使っていた本は古くなっているでしょう。学びなおしにも最適の本かと思います。
他の職種にとってはどうでしょうか。
言語聴覚士、看護師や臨床検査技師など、生理学が大切な職種には非常におススメできる本です。呼吸・循環の生理学はもちろん、消化器や泌尿器、生殖器の生理学も網羅されています。
ただ、やっぱりPT・OT向けな感は否めません。
また、本気で生理学を詳しく勉強したい時や、しっかりした理論的根拠を知りたい時などはもっと詳しい本で学修しなければいけません。
その時はこちらの記事の上級編の本なども参考にしてください。
「絶対コレ!!」という本がなく、それぞれ特徴のある生理学の本。
その中でも、「新版 生理学 (メディカルスタッフ専門基礎科目シリーズ)」は、医療系専門職にとって基礎的知識を習得できる本かもしれません。