心臓や血管の機能や構造はコメディカルにとって必須の知識。
しかし難しいです。とても難しいです。
循環器の生理学を学ぶときにお勧めの本を紹介します。
主な対象は理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、看護師です。
医師・研修医向けの少し難しい本も含まれてますが、内容は面白いものばかりです。
循環器の詳しい生理学を学ぶのは、生理学がある程度身についてからがおススメです。
コメディカル(PT、OT)のための生理学おススメ本はこちらの記事を参照ください。
では、おススメの循環生理学の本を紹介します。
臨床にダイレクトにつながる循環整理
2014年。
心臓、血管の循環器の生理学がとても詳しくわかりやすい。
内容は難しいところもあるが、図解も多く丁寧に解説されている。理論的に説明されており、循環生理学を一通り学ぶのには最適な本。
訳書にありがちな少し日本語がわかりにくい箇所もあるけれど、内容がわからないというわけではないので、特に問題ない。
この本に載っている図を自分で書けるようになれば、循環生理の理解が進みそう。
本当に大切なことが1冊でわかる循環器
2019年。
新しい本です。前述の「循環生理」よりも言葉遣いは優しくわかりやすく書いてあります。その分、内容はやや初心者向けです。
循環を極める!まで行かないけれど、循環がわからない、循環を早急に身につけなければいけないという人に向いています。
内容は特に看護師の視点で書かれているものが多く、看護師向けの本です。
病気が見える 循環器
2017年。
医療者の中であまりにも有名になった病気が見えるシリーズ。
その中の循環器は2017年に改訂され内容が詳しくなりました。
循環の生理学を詳しく学びたいというよりも、辞書的に使いたい、循環器の病気のことを知りたいという人に向いています。
カラーで図解が豊富。説明もわかりやすいです。
とりあえず部署に1冊は持っておくと、役に立ちますね。
心臓外科医が描いた正しい心臓解剖図
2014年。
循環の生理学の本ではありません。心臓の解剖学の本です。
心臓の解剖図に始まり、手術時の見え方、心エコーの見方などが医師によるスケッチで書かれています。
繊細なペン画は写真よりもわかりやすく、詳細です。
心臓の解剖をこれ以上詳しく著した本は今のところ見当たりません。
カテーテル時代に知っておきたい新しい心血行動態入門
2014年。
医師向けの本ですが、コメディカルにも十分理解できます。
臨床的な疑問に答える形で循環生理学や心力学について解説されています。
臨床で「そうそう、それ疑問に思う!」っていう疑問がたくさん解説されており、読み物としてとても面白い。
80個の疑問がありますが、全く飽きません。おススメです。
心臓の機能と力学
2014年。
心臓の力学に焦点を当てた本。とても難しい内容ですが、この本を読めば理解できます。何度も読みましたが。
今でも学生に講義をする前はこの本を一通り復習します。
心臓の機能を理解する上で最もつまずきやすいのが力学。
難解な用語の解説も含めて、わかりやすく解説されています。
文中に出てくる例えもとても納得できます。
医師向けの本ですが循環器疾患を診るコメディカルにもおすすめです。
心不全と骨格筋機能障害
2018年。
心臓の機能といっても、心臓だけで成り立つわけではなく、他の臓器や器官と連携して生体の機能をなしています。
その中でも今注目されている骨格筋の機能。
骨格筋の機能は運動だけではありません。
この本は心不全がテーマですが、循環系と骨格筋をリンクさせて解説する数少ない本です。
内容は前述の心臓の力学や生理学の本と比べるとだいぶ易しいです。
医師よりも理学療法士や看護師向けに書かれています。
リハビリテーションに関わる人向けです。
萌える!心力学
2016年。
この本が発刊されたころに流行った感じのタイトルですが、内容はシッカリしています。対話形式で書かれているので、読みやすく頭にも入りやすい。
難しい心力学の内容をできる限り易しく解説している本です。
前述の心力学の本よりも易しいので、苦手意識のある人はこちらの本がおススメです。
心エコーに関する記載が多いのも特徴です。
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